14歳の初夏、ジルの腎不全が発覚しました。

3月に一時帰国して最初の二か月はオンライン授業に追われ、また家庭内で自主隔離していた関係もあってあまりわんこと触れ合う時間が取れませんでした。
それでも気づいたジルの変化。
触られることを嫌がり、ごはんの時を除いて家族のところに寄ってこない。自分のケージでじっとこちらを観察しているか、寝ているか、もしくは何もない壁の隅を見つめてぼーっとしているか…



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これは今年の春、珍しくソファの上で寝ていた時の写真です。今まではケージに戻って寝ることなんてほとんどなかったのに、帰国してからのジルはソファにいるほうが稀でした。


4月のフィラリアの注射の時に血液検査をして、健康体だというお墨付きで帰ってきた2匹。
そんな中で真っ先に頭に浮かんだのは認知症でした。
(この血液検査については後述しますが…)

犬を飼う上でとても大切なことの一つは、信頼できる獣医さんがいることだと思います。ジルが病気になって、そのことを何度も後悔しました。
我が家のわんこたちは最初のころにはものすごく良い獣医さんにお世話になっていたのですが、その獣医さんが関西に引っ越し、そのあとはいくつか近所を点々とし、最終的に比較的家から近いところにある動物病院にかかっていました。いつも混んでいると聞いていたところではありましたが、私は行ったことがありませんでした。いつも母に任せきりで、年に一度の予防接種の時に健康診断もしてもらって、毎年、歳のわりに元気で悪いところがないとお墨付きをもらっていました。
ここ数年かは老齢なこともあり、しっかり見てもらうようにお願いはしていましたが、フィラリアの時に血液検査を行うくらいでエコーやレントゲンを勧められたこともありませんでした。

5月になって北の町も少しずつ暖かくなってきたころ、お外での散歩を開始しました。あんなに散歩が大好きだったはずのジルなのに、日によって元気がない時があります。ちょうど狂犬病の注射もあることだし、私も一緒に動物病院に行って診察に立ち会うことにしました。

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公園で遊ぶジル。去年より走れる距離が半分以下に落ちました。目も見えづらくなっていたのだと思います。


担当してくれたのは若い女性の獣医さんでした。事前に気になる項目をすべて書き出していったのですが、ひとつひとつの項目に長い時間をかけて答えてくれました。知識はたくさんあるんだろうなぁと感じさせる、教科書のような答え。
それでも元気のなさやぼーっとすること、多飲多尿について尋ねても、老齢だから。暑くなってきたから。唯一気になるのは歯周病だが、今すぐ抜歯しなければいけないというわけでもない、との答えでした。
詳しい検査なども特に必要ないと言われ帰宅。餌もずっと成犬用のフードを食べていたのですが、特に老犬用に変える必要はないとの返答でした。

安心すると同時に、やっぱり認知症なのか。私のことを忘れちゃったのか、と悲しくなり。
認知症や関節にいいサプリや評判の歯磨きセットを取り入れながら、一日一日を大切に過ごしていました。この頃は散歩に行くたびに動画をとっていました。


それから1か月で、ジルの容体はどんどん悪くなって…ついには緊急入院することになります。